| 本書の目次 |
| 第一章 生成期 おニャン子クラブ『セーラー服を脱がさないで』 河合その子『涙の茉莉花LOVE』 うしろゆびさされ組『うしろゆびさされ組』 第二章 隆盛期 第三章 斜陽期 第四章 解散後 |
以下、「はじめに」より
| 「歌も踊りも下手なのに、ついつい見てしまう彼女たち」 素人っぽさというよりも、等身大の素人そのものを売り物にしたグループが80年代中盤を席巻した。おニャン子クラブのことである。『夕やけニャンニャン』というフジテレビが放送した夕方5時の帯番組に誕生した女子高生を中心としたグループは、タレントと視聴者の一体感を演出することに成功。同番組を、その時間帯では驚異的な11〜13パーセントの平均視聴率に引き上げた。 レコードも、おニャン子クラブとしてのヒットはもとより、メンバーのソロ・デュオ・グループなどの出す曲出す曲の全てがヒットチャートの上位に進出。総売上も100億を遙かに超えた。グループの実働期間は85年〜87年までの2年5ヶ月に過ぎないが、この隆盛を80年代のなかで一時代築いたという意味で、あえて80年代全般から独立させて“85年代”と呼ぶ者すらいる。彼女たちの成功は、その後の集団アイドル誕生につながっている。 では、彼女たちはなぜそれほどのブームになったのだろうか。 番組お抱えのタレントに歌をリリースさせ、さらに自社制作の番組や局のキャンペーンで宣伝する飽くなき露出は、既成の売り出しノウハウを超えた新機軸だった。そして、会員数のべ52名を数えたメンバー構成は、明るくかわいい子を前提としながらも、全てが美形、全てが歌唱力バツグンという単一的な人海戦術ではなく、まさに学校のクラスのようにいろいろなタイプの女の子を集めることで、お互いの個性が輝き合う効果を狙った。また、それが視聴者の多様な価値観を幅広く吸収することにもつながった。そして、番組は「素人」である彼女たちの等身大の魅力が全面開花するよう、完成度や従来のセオリーにこだわらない、というよりあえてそれらを否定するような作り方が行われた。さまざまな理由から彼女たちの時代は短期間だったが、歌謡史に一時代築いたことには誰にも異論はないだろう。 おニャン子クラブが誕生して今年で25年である。生誕25周年を記念して、彼女たちの名曲を当時の出来事とともに振り返ってみよう。 |